アニサキスの感染源となる魚は?加熱や冷凍で予防できる?治療法は?
2017/05/29
アニサキスについて最近メディアなどで取り上げられることが多くなりました。
アニサキスとはどうやら魚介類にに寄生する寄生虫の事のようですが、詳しいことが分からないという方も多いのではないでしょうか?
このアニサキスが原因で起こるアニサキス症は刺身や寿司など生で魚を食べる食文化をもつ日本が世界でも最も多く発生しているようです。
では、どのような魚からの感染が多く、予防するにはどうすればいいのか、また発症した場合の治療法などに関してお伝えしていきます。
知識をつけることで未然に感染を防ぐようにしましょう。
アニサキスの感染源となる魚は?
感染源となる魚介類は日本近海で獲れるものだけでも160種類を超えるようです。
ただ160種類というのは寄生が確認されている魚介類の数であり、恐らく海に生息している魚介類のほとんどに寄生する可能性があるようです。
国立感染症研究所の報告によると、最も多い感染源と考えられているのがサバ(マサバ・ゴマサバ・加工品のしめ鯖も含まれる)。
その他に感染の機会が多いとされるのがサンマ、イワシ、アジ、イカなどです。
これらは日本の食文化の特徴として生食で食べることが原因のひとつであると言われているようです。
サワラやアンコウ、タラなどにも寄生している事が多いようですが基本的に加熱調理する場合が多いので感染例の報告は少ないようです。
加熱調理する魚の感染例が少ないという事は予防に効果があるという事なのでしょうか?
では次にアニサキスの感染を予防するにはどうすれば良いのかを見ていきましょう。
アニサキスの感染は加熱や冷凍で予防できる?
日常的に食べる魚に寄生しているのはアニサキスの幼虫で体長は2㎝~3㎝程度の線虫です。
幼虫は中間宿主であるサバなどに寄生して、終宿主はクジラやアザラシなどの消化管に成虫となって寄生します。
国立感染症研究所の指導によると、第一に生で食べないこと。
まれに見かける情報で、生食であってもしっかり噛んでアニサキスを嚙み切ってしまえば大丈夫というような記事を目にする事がありますが信頼性は限りなく低いようです。
酢漬けや醤油、わさびなどによる殺菌作用が有効であるという情報もあるが料理で使用する量や濃度ではアニサキスは死なないようです。
【予防方法】
■加熱する場合は60℃で1分以上の調理が有効■
ただ炙りなどは身の中心までその温度に達しておらず調理時間も短いのでNGです。
表面だけでなく身の中心まで熱を通さなければ効果はありません。
■冷凍処理は-20℃で24時間以上が有効■
冷凍することでアニサキスの幼虫の感染性を死滅させるので、解凍後の生食の感染予防に効果があります。
欧米など国によって冷凍処理の基準は異なりますが、各国が冷凍処理が有効であると指示しているようです。
■その他の予防方法■
アニサキスの幼虫はサバなどの魚介類の内臓部分に寄生しているので、漁獲された直後の新鮮なうちに内臓を取り除くのも有効な手段です。
しかし、一般の消費者に届く時点では漁獲してから時間が経過しているので筋肉部分(刺身部分)に移行している場合がある。
さらに国立感染症研究所の調査によると養殖魚がアニサキスに感染している事例が極めて低いという結果から、養殖魚を選んで食べることも感染予防の効果を期待できます。
アニサキス症に感染したときの治療法は?
アニサキス症には「胃アニサキス症」、「腸アニサキス症」など寄生部位によって症状や治療法が異なるようです。
潜伏期間は約3時間前後で4時間後以降に少しずつ症状が現れてきます。
■胃アニサキス症■
胃アニサキス症の症状は激しい腹痛(特に胃のあたり)や嘔吐、膨満感(腹部が張っている)などです。
アニサキスの幼虫は胃壁に頭から刺さっている場合が多く、治療法は胃内視鏡(胃カメラ)で虫体を探して、鉗子というハサミのような形状の器具でつまんで取り除きます。
完全につまみ出すことが出来れば嘘のように痛みが治まるようです。
胃が痛いからと胃薬を服用しても一切効果はありません。
■腸アニサキス症■
腸アニサキス症も腹痛や嘔吐、悪心などの症状がでます。
腸アニサキス症の場合は幼虫を見つけるのが難しくX線や超音波検査が用いられます。
胃と違って腸の場合は内視鏡で取り除くという方法が困難なうえ、幼虫に効く駆虫薬が開発されていません。
治療法としては対症療法で様子を見るというのが一般的なようです。
アニサキスは人間の体内では1週間程度で死滅するので、それを待つといことになります。
症状が悪化すると腸閉塞や腸穿孔といった重症に至る例ももあるようで、その場合は緊急の外科的手術により開腹手術が行われるそうです。
まとめ
アニサキス症が発症する時間帯で最も多いのは夜中です。
夕食での刺身や酢漬けの料理からの感染が多いためでしょうか。
潜伏時間を経て症状が出るのが夜中になるというパターンですね。
激しい腹痛が起きた場合は消化器内科の医師がいる総合病院などを受診するようにしましょう。
内視鏡専門医と消化器外科医のいる総合病院であれば重症の場合も対応できるようなので、症状がひどい場合は探して受診しましょう。
関連記事 ↓↓↓↓↓
アニサキス感染が心配だけど回転寿司は大丈夫?くら寿司、スシロー、はま寿司に聞いてみた。
アニサキスが心配だけどスーパーの刺身は大丈夫?寄生していたら返品できる?