京都府が定年後の就農を研修でサポート!定年後の就農について考える!
2016/01/13
京都府は12月8日に亀岡会場、9日には福知山会場において「定年帰農者応援研修会」を開催しました。
これは、定年後に故郷である京都に帰って農業を始めたいという方々への応援セミナーです。
京野菜を中心に栽培を行う就農者が増えることで、京料理に必要な京都産の安心安全な農作物を確保出来ると同時に、定年後の生きがいや収入にも繋がります。
現代の高齢者と言われる年代は元気です!自然と触れ合いながら社会と関わり生活を営む良いケースではないでしょうか!?
もっと深く考えれば、自分たちの食べるものは自分たちで作る。これは人が生きる上で忘れてはいけない原点だと思い少しでも多くの方々に知って頂きたく書いてみました!!
この機会に新規就農と京野菜の維持について考える機会にしてみましょう。
「定年帰農者応援研修会」の参加者の内訳
この「定年帰農者応援研修会」を開催した際の受講者数は亀岡会場で60人、福知山会場で40人もの方々が受講されました。
なんと、トータル約100名もの方々が集まりました。実際に受講という行動を起こした方々が100名という事は潜在的にはこの何倍かの需要があると予想できます。
参加者された方達の内訳は、地元以外に大阪・兵庫・埼玉からの参加されました。
現役世代が専業農家で家計を維持する事が簡単な事ではない現状で、定年後の方々が農地を引き継ぎ技術を継承するという流れを続ける事は長いプロジェクトとして考えるべき事だと思います。
定年後に農業を始めるメリット
メリットをお伝えする前に、全ての年代での新規就農のリスクを認識することも大切です。
これを理解してうえで、定年後の新規就農にメリットがあるのかを考えてみましょう。
【リスク】
①同じ時期に同じ地域で同じ作物を作るので収穫したものを全て販売できるとは限らない。
②販売できたとしても、販売量が一定ではない。
③気候や災害によっての不可抗力の要素を含む。
④新規就農時の初期投資に資金が必要。
このように年代に関わらず新規就農する際にはリスクが伴います。このリスクを踏まえたうえで定年後の新規就農のメリットを考えていきましょう。
【定年後の新規就農のメリット】
①初期投資において退職金などの自己資金を確保している。
②年金という生活資金を確保している。
③多品種、少量栽培で珍しい野菜を収穫し差別化が図りやすい。
④農業は生涯学習であると同時に健康維持にも期待できる。
⑤販売以外に自給自足の食生活が健康とやりがいに繋がる。
現代の農業の実情を考えれば生活基盤があり、時間的な余裕があり、収入優先ではない定年退職後の元気な世代が就農するのが一つのトレンドになってくる可能性があります。
定年後の新規就農の喜び
実際に40年のサラリーマン生活を送った後に故郷の長野県で新規就農をスタートさせたIさん。
今年で14年目になるそうです。今、感じているのは農業の面白さとは別に先祖からの農地を次世代に引き継ぎたいという責任感と義務があったそうです。
当初は規格品を作ろうと難しさを感じる日々が続いたそうです。しかし、「お客さんが欲しいものを作るのが商売の基本」と考えて珍しい野菜で差別化を図り直売所やレストランに販売されているそうです。
工業製品のように野菜を栽培するのではなく、自信をもってお客さんに販売し喜んでもらえることがやり甲斐であり楽しみだそうです。
時代と共に農業のスタイルも変化していくのではないでしょうか!?
まとめ
今回は京都府が開催した「定年帰農者応援研修会」をきっかけに就農について考えてみました。
京都府が京野菜という文化財産に対してのサポートを行っている活動を知って頂き賛同される方や、我こそはと思われる方の参考になればと思い書いてみました。
読んでいただいた方が農業や地元野菜の継承について考える機会になれば嬉しく思います。