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トランス脂肪酸による健康への影響は?マーガリンよりバターが安全?

      2016/03/26

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近年、諸外国では『トランス脂肪酸』が人体に与える悪影響を懸念して流通や販売へ規制をかけるようになっています。

2015年6月にはアメリカの食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸の食品への添加を3年以内に全廃すると発表しました。摂取し過ぎると心臓病などのリスクを高めるというのが理由です。

2013年よりFDAは規制案を示したうえで科学的な妥当性を調査した結果「一般的に安全とは認められない。」という結論に至りました。

現在、日本においてトランス脂肪酸はどのようなに取り扱われているのでしょう?そして、本当にトランス脂肪酸は人体に悪い影響を与えるのでしょうか?

ネット上では「食べるプラスチック」や「ネズミやゴキブリも食べない」など過激な表現で様々な情報が錯そうしていますが、果たして本当なのでしょうか?

まずは、トランス脂肪酸について知ることから始めましょう。

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マーガリンとバターの特性を知る

トランス脂肪酸という言葉を聞いたことがあり、体に悪いという事もなんとなく知識として持っている方は多いのではないでしょうか。

このトランス脂肪酸で代表されるのがマーガリンとショートニングです。この2つの食品とトランス脂肪酸がどういう関係なのかを学んでいきましょう。

マーガリンとよく比較されるのがバターですが、マーガリンは体に悪くてバターは体に良いという印象を持たれていませんか?結論から言うと答えはどちらも「体に良い」とは言えません。

そもそも、マーガリンやショートニングは、バターやラードの代替品として開発されました。バターやラードの原料となる動物性脂肪や乳製品、熱帯植物油脂には飽和脂肪酸が多く含まれています。

この飽和脂肪酸は融点が高く常温でも固形の状態を保つため、人間が摂取した場合に体温では溶けきらずに血液をドロドロにしてしまいます。その結果、中性脂肪やコレステロール値が上がり心臓疾患等のリスクが高まってしまうのです。

そこで、サバやイワシなどの青魚の脂肪や、オリーブオイルやサラダ油を原料とするマーガリンやショートニングが登場したわけです。これらの原料に含まれる不飽和脂肪酸は融点が低く常温では液体の状態です。さらに血中のコレステロール値を下げる効果があるということで脚光をあびました。

ではなぜ、近年になってこのマーガリンやショートニングが欧米諸国で使用や流通を規制するようになったのでしょうか?それは不飽和脂肪酸を含む原料を製品にする過程で、常温でも固形化させるために製造過程で水素を添加します。その際に副産物として生成されるトランス脂肪酸が健康に害を与えるという研究結果が出たからなのです。

このトランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させるため、摂取しすぎると狭心症や心筋梗塞などの冠動脈性心疾患のリスクが高まるという研究結果が出ました。その結果を踏まえてアメリカ食品医薬品局が2015年6月にトランス脂肪酸の食品添加を3年以内に全廃するとの発表に至った訳です。

要はマーガリンなどの原料となる魚の脂肪や植物性油脂(不飽和脂肪酸)はバターなどの原料になる動物性油脂(飽和脂肪酸)に比べると体への害は少ないが、固形化するために製造過程で水素を添加することによって生成されるトランス脂肪酸が体へのリスクを高めるといことです。

でも、よく考えてみてください。そもそも健康に害があるとされていたバターの代替品として開発されたマーガリンに健康リスクがあると言われて、またバターに回帰するのはおかしなはなしですよね?

次の章では、バターとマーガリンのどちらが体へのリスクが少ないのかを検証していきましょう。

マーガリンとバターではどちらが体へのリスクが少ない??

現在、世間の風潮ではマーガリンよりバターの方が安全であるかのように思われる方が多いようです。その一つの要因としてネット上でマーガリンに含まれるトランス脂肪酸は「食べるプラスチック」、「ネズミやゴキブリですら食べない」といった過激な表現が話題を呼んでいることもあります。

このプラスチックと同じ原子構造であるというのは、おそらく固形であることと腐りにくいという特性からでた都市伝説のようなものです。また、バターに比べて風味が劣るので誘引効果は落ちるがネズミやゴキブリが食べないというのはデタラメな情報です。このように注目を集めるための情報を鵜呑みにする事の危険性も学ぶべきですね。

では、マーガリンとバターでどちらが体へのリスクが少ないかという疑問の答えは、どんな脂肪酸であろうと過剰摂取すれば心臓疾患等の原因となります。なのでトランス脂肪酸が突出して危険であるという認識は間違いです。

毒性学の基本として「この世で存在する全ての物質は有害である。有害でない物質はなく容量によって毒にもなり薬のもなる」という理論である。すなわち、人体に対するリスクは今回のテーマであるマーガリンやバターに限らず「そのものの性質×摂取量」によって決まるということです。

昨今の日本における健康食品ブームは単体の食品に対して「○○を食べると体に良い」、「□□は体に悪い」という風潮は非科学的で、それを販売する業者の思う壺になっているということです。

食事や栄養という観点から言うと、バランスが大切ということです。ドッグフードに含まれるトランス脂肪酸について


日本と欧米でトランス脂肪酸の規制が違うのはなぜ?

欧米ではトランス脂肪酸に対する流通や販売の規制が厳しくなっています。しかし日本では食品に対する量の表示すら義務付けられていないのが現状です。なぜ欧米との対応が違うのでしょうか?

アメリカ食品医薬品局(FDA)や世界保健機関(WHO)の基準として、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満としています。

現在、日本人の平均摂取量は0.3%程度で、アメリカ2.6%、EU0.5%~2.1%となっています。食文化の違いで欧米では脂肪摂取量が日本人の食生活より非常に多いということです。

当然、肥満率も高いことから厳しい規制をかける必要があるわけです。ある科学者の見解として「トランス脂肪酸が問題なのではなく、それを含めた総脂肪摂取量が問題だ」と言われています。また、「日本人の平均的な食生活では問題ない」とも述べられています。

一般的な食生活を送っている日本人であれば、とりたてて心配する必要はないということです。

アメリカが厳しく規制しているのに、日本は大丈夫なのかと思う必要はなく、食文化の違いであるというのが結論ではないでしょうか。

まとめ

インターネットが普及して色んな情報を手軽に知ることができるのは便利なのですが、その情報を取捨選択するのも重要なことです。話題性を重視するあまり、真実とは異なるものも多くあります。

そのまま無防備に受け入れるのではなく、本当にそうなのかと疑問を持ち調べることが重要です。これは今回のテーマに限らず全てにおいて言えることだと思います。

そして食事に関しては、それぞれの食品や成分に一長一短があり、どのようにバランスをとって過剰に摂取しないかということがポイントではないでしょうか。

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