民泊解禁で京都の街はトラブル多発。日常生活を脅かすトラブル事例。
2016年4月に解禁された「民泊」制度。
京都市では解禁前から無許可営業の施設周辺でトラブルが頻発し、無許可営業の業者が書類送検される事件も発生しています。
民泊制度が法的にきっちりと整備されていない見切り発車的な状況の中で、周辺住民は様々なトラブルやストレスに悩まされています。
年々増える外国人観光客は地域に大きな経済効果を生みますが、受け入れる宿泊施設を日常の生活圏内に持ち込まれると想像以上の負担を強いられる事を覚悟しなければいけません。
外国人観光客が最も利用する民泊検索サイト「Airbnb-エアビーアンドビー」には京都市内のみで2,000件以上の物件が登録されているが、所在地や管理者の実態はほぼ把握されていない。
このような制度で問題が生じた場合の被害者は何といっても関係のない地域住民なのです。貸主の大半は他府県や海外居住者が多く、トラブルが起きてもほぼ対応しないというのが現実のようです。
今回は民泊解禁による施設周辺の住民が経験したトラブル事例をお伝えして今後の京都の街や文化をどのように継承していくべきかを考えるきっかけにしていただければと思います。
民泊施設の周辺住民が経験したトラブル事例その①
いつ頃からかマンションの共有スペースで外国人をよく見かけるようになりました。
ご近所の話だとどうやらマンションの何部屋かを民泊施設として貸し出しているというではないですか。それから数日後の深夜にマンションのベランダで騒ぐ複数の声が聞こえてきます。
よく聞きとれなかったのですが、どうやら日本語ではありません。ベランダで酒を飲みながら大騒ぎしているようです。さらに部屋の中では大音量で音楽をかけているようです。
平日で当然ながら翌日は仕事で、静かに眠りたいのですが騒音で睡眠を妨げられてストレスは最高潮に達してしまいましたが我慢するしかありませんでした。
それからというもの、連日のように入れ替わり立ち替わり訪日外国人が宿泊し早朝や深夜を問わず騒ぐようになりました。
あまりのマナーの悪さと、睡眠を妨げられるという日常生活の危機を感じて管理会社へ対処を求めたのですが応じてもらえず最終的には警察に通報して注意してもらうしかありませんでした。
このようなトラブルが実際に起こると自分自身では何も対応することが出来ないことが分かりました。文化や常識の違う、言葉の通じない外国人相手には無力なのです。
民泊の貸主はお金が入り潤うのでしょうが、周辺住民には何のメリットもありません。貸主は騒音に悩まされることも、居住エリアのあちこちにゴミを捨てられるストレスも経験しないのですから・・・
管理会社や貸主に細かく管理義務を課してもらわないと、そのうち大きな事件にも発展しかねないなと思います。
民泊施設の周辺住民が経験したトラブル事例その②
まさか、こんな身近で民泊によるトラブルを経験するとは思いませんでした。
私の住む大型マンションは5棟の建物に分かれており、コミュニティルームやBBQハウスのある公園などもありとても住み心地のよい設備が整っています。
さらにゲストルームもあって大勢の親戚が集まるときや、遠方から友達が訪ねてきたときなどに利用していました。今までは数週間前に予約を入れれば取れていたのですが、ある週末に親が田舎から来るといことで予約を入れようとすると、数か月先まで予約が埋まっているというのです。
どうしてマンションの共用施設が数か月先まで埋まっているのかと不思議に感じながらも、仕方がないなと済ましていました。その話をご近所さんとの雑談の中で話すと、その方もBBQハウスの予約もなかなか取れなくなっているというではないですか。
急に住民の多くが施設を活用しだすなんてことも考えづらいのですが、その日は話はそこで終わってしまいました。
その後は共用施設の事が気になるようになって、ゲストルームの周辺を歩いたりBBQハウスの中を見たりするようになりました。するとBBQハウスで大騒ぎしている外国人が妙に多いのです。大きなマンションなので外国人の居住者は以前から少なからずいたので敷地内で外国人とすれ違ってもさほど気に留めていませんでした。
ニュースなどで民泊の事は聞いていたので、まさかとは思いながらも民泊の仲介サイトを見てみると・・・なんと私のマンションのゲストルームが掲載されているではないですか!しかも正規の利用料金の数倍もの値段が表示されていました。
翌日、管理会社に連絡し報告すると数週間後には以前のようにゲストルームもBBQハウスも予約が取れるようにはなりました。
しかし、マンションの住民の共有財産である施設が勝手に民泊施設として貸し出されていたという事実は驚きを通り越して、怖さを感じました。
民泊施設の周辺住民が経験したトラブル事例まとめ
多岐にわたるトラブル事例が報告されていますので、箇条書きで主なケースを並べてみます。もし貴方の隣の部屋や近所の空き家が民泊施設だったらどう感じるでしょうか?
①深夜のドアの開閉音や共用部分での大きな声や笑い声による騒音が絶えない。
②ナイフを持った外国人宿泊客が自宅の庭に侵入し木を切っていた。
③中国人宿泊客が自宅敷地内の物干し竿に勝手に大量の洗濯物を干していた。
④早朝にチャイムを鳴らされ応答すると「ライターをくれ」と英語でせがまれた。
⑤観光目的での宿泊だと思っていたら売春宿として利用されていた。
国や文化が違うとモラルやマナーにも違いがあります。外国人宿泊客はお金を払って泊まっているのですからお客様気分ですが、お金を貰っている貸主は現場にはおらず、様々な迷惑行為や不安感などを背負うのは近隣住民なのですから基本的には成立しないですね。
一つ一つの事例は対したことではないかも知れませんが、これが不特定多数の外国人により継続的に行われるとなると安心して健康的に暮らす権利の侵害にもなりかねません。
地域住民に受け入れられる民泊制度の実現を!
その他にもマンションを民泊施設としている場合には住民しか知らないオートロックの番号で出入りされるのは防犯面で不安である。
また、賃貸物件のオーナーが社宅に使うという会社と賃貸契約を結んだところ民泊として貸し出しベランダから幼児が転落死するなど、様々な種類の問題が多発しています。
一度きりの事なら許容できるかもしれませんが、観光客が入れ替わり継続的であることは極めて重大な問題です。
住民の日常生活を担保するという最低限の条件を満たした法整備や条例が求められるのではないでしょうか。