京都市が民泊問題の増加に対応。『民泊110番』を今夏に開設と発表
外国人観光客の増加で沸く京都市。
定番の観光スポットに至っては半数以上は外国人の観光客ではないでしょうか。そんな海外からのお客様は様々な業界に経済効果をもたらしています。
しかし、どんな事にも明と暗があるように多くの訪日外国人を受け入れる宿泊施設の不足から『民泊』という制度が解禁され、それに伴い問題も浮き彫りになっています。
この『民泊』は検証や議論が少し不足していた状態でスタートしました。
そして、運用が始まると予想通り近隣住民や貸主と宿泊者の間で様々なトラブルが頻発しています。
貸主と宿泊者間のトラブルは事業主と客の関係なので双方で解決するだけの話ですが、ある日突然、住み慣れた地域の建物が民泊施設として貸し出され、騒音や地域のルールやマナーを守ることが出来ない旅行者を押し付けられた住民は想像以上のストレスを強いられています。
そんな苦情や相談が行政に連日のように寄せられる現状を問題視して、この夏から『民泊110番』の開設が発表されました。
近所のマンションを民泊施設にすると業者が通達
ある日突然、慣れ親しんだ町内に民泊施設が出来ると不動産業者から通達が・・・
それからというもの、外国人観光客が頻繁に出入りするようになった。昼夜関係なく大きな声で話す声や、他人の敷地に侵入するなどマナーやモラルを無視した行動で住民を悩ませる。
言葉が通じず、外国人とのコミニュケーションに慣れていない高齢者などはストレスを抱えたまま、これまでの日常を奪われるケースもある。
見かねた住民らが京都市に相談して業者に対して営業を中止するように求めた。民泊サイトでの募集は数週間後には削除され、静かな暮らしを取り戻せた。
このように、住民の意向をのんで施設の閉鎖に応じる業者の場合はまれで、そのまま営業を続ける施設も多く存在する。
隣の部屋が民泊施設になり外国人の対応に悩まされる
長屋風の建物に住む女性宅の隣の部屋が民泊施設として営業を開始した。女性は「宿泊者の身元をしっかりと把握している様子もなく、火の不始末や犯罪に巻き込まれないかと気が気でない。何か起きたときに対応出来るはずがない。」と不安を隠せない。この建物の持ち主は東京在住のようで宿泊者の管理はほぼ行っていないようだ。
宿泊者の外国人が「鍵の開け方が分からない。」と尋ねてくる度に対応しなくてはいけないと悩まされている。同じようなケースで、早朝に自宅のチャイムを鳴らされ「ライターをくれ。」と起こされたという苦情も寄せられている。
貸主は宿泊客を民泊サイトで募集し、その後の対応が疎かになっている場合が多くそのしわ寄せが関係のない地域住民にのしかかるというケースが増えている。
このように様々な苦情や相談を解決するため京都市が窓口の開設を決めた。
京都市の民泊相談窓口「民泊110番」開設へ
このように民泊施設が増加する現状に京都市が電話やメールで苦情や相談を受け付ける「民泊110番」を今夏に開設すると発表した。
市が調査した結果、現在市内には民泊施設が約2700件あるが、7割以上が許可を受けずに営業されていることが判明した。さらに民泊サイト上では詳しい住所が分からない施設も多く、所在地も把握しきれていないのが実情のようだ。窓口への相談や通報で、このように把握できていない施設の絞り込みにも期待が寄せられる。
また連日、京都市に寄せられる苦情や相談も旅館業法に関する内容は保健福祉局、観光に関するものは産業観光局など内容によって問い合わせ先が異なり分かりにくいといった問題の解決策として、専用の窓口が必要と判断した。
専用窓口で一旦、情報を取りまとめ担当部局へ通達しスムーズな対応を目指す。通報は匿名でも受け付け、情報をもとに現場を調査し違法行為が確認されれば指導を行う。
近隣での民泊に関するトラブルや迷惑行為に悩まされた場合はこの窓口を活用していただきたい。
まとめ
利益のみを追求した悪質な業者が存在するのが現実です。近隣住民にとっては日常生活を送る地域が、通りすがりの観光客に荒らされるのは死活問題といっても過言ではないのです。
100歩譲って騒音やゴミ捨てのマナーなどは許容できたとしても、宿泊施設や宿泊者を完全に把握できていない状態で犯罪の温床にでもなれば取り返しのつかない事態です。
警察関係者も現状のままでは全てを把握するのは不可能であるとの声も漏れ聞こえてくるのが事実です。
住み慣れた自分たちの地域は自分たちの意識と厳しい監視の目で守るしかないのです。