天ケ瀬ダムに夜釣りに行った帰り道で見た人影。翌朝、妻に言われた言葉。
2016/06/09
数年前、職場にバス釣りを趣味にしている部下がいました。
釣りをしない僕をしつこく誘う部下に根負けして一度だけ付き合うことに。
その帰り道で体験した話です。
部下に誘われ釣りに行くことに
何よりバス釣りが好きな部下がいました。上司と部下という関係でしたが気の合う奴で仕事帰りにはよく飲み行ったものです。
その酒の席で彼がよく話題に出すのがバス釣りの話。釣り上げる時の魚との駆け引きがどうとか、何センチの大物を釣ったとか子供のように楽しそうに話します。釣りに興味のない僕は釣れるかも分からないのに何度も何度も竿を振り続けること自体理解に苦しむのですが・・・
そして、話の最後には「騙されたと思って一度だけ行きましょうよ。」と必ず僕を誘ってきます。何度も断っていたのでさすがに一度くらいは付き合ってやるかと思い「じゃあ一度だけ行ってみようか。」という事になったのです。
もちろん行先は部下に任せて、日程は休日はだいたい予定が詰まっていたので休日前の仕事終わりに行くことに決まりました。
深夜の天ケ瀬ダムへバス釣りへ
いよいよ当日になり昼食を共にしながら部下に今夜の行先を尋ねると「天ケ瀬ダム」へ行くと。まぁもともと付き合いで一度だけ行くつもりだったので行先にも興味はなかったので「ふーん」と返事をして話は終わりました。
仕事が終わり私服に着替えていよいよ出発です。お腹が減っていたので途中でラーメン屋に立ち寄り腹ごしらえをして目的地を目指しました。
運転は部下がしてくれているので助手席のシートを少し倒してくつろいでいました。町中を通り抜けだんだんと山道へと入ってい行ったのを覚えています。「天ケ瀬ダム」へは初めて行くので暗いながらも外の景色を楽しんでいました。かなりカーブが多く、車のライトがなければ恐らく真っ暗な道だと記憶しています。
時間にして小一時間ほど走ったでしょうか。ダムについたのは23時ごろだったと思います。部下は楽しそうにトランクから釣りの道具を取り出し準備をしています。僕は夜のダムを見ながら綺麗だなと思うのと同時に1人だとちょっと怖いよな、なんて考えていました。
準備が出来て部下に手ほどきを受けながら見様見真似で初めてのバス釣りに興じました。やってみたら楽しいかもと少し期待していたのですが、やはり僕の性分には合わないらしく退屈な時間が過ぎていきました。約2時間ほど頑張ったのですが結局2人ともあたりが無く帰ることに。部下は釣れた時の快感を味わって欲しかったようで残念そうにしていました。
道具を片付け来た道へと車を走らせました。
帰り道で見たものは錯覚だったのか
来た時と同じように山道は暗闇です。森の木々のせいか月明りも届いていなかったように思います。対向車や後続車もなく我々の車のライトだけが森を照らしていました。
何度も続くカーブを少し眠くなりながらも見つめていました。すると前方に見えるカーブは結構急カーブで一瞬、前方のガードレールが真正面になるような感じになったのです。
車が通過するその一瞬、正面のガードレールと地面の間の隙間にまるで崖の下から這い上がってくるような態勢の人影が見えたような気がしました。ほんの一瞬だったのですが片手をガードレールに掛けて全体的に濡れていて、色は灰色のように見えたのを覚えています。
少し気味悪いのと気のせいかもしれないと思いながらも部下に「さっきの急なカーブのときガードレールから誰か上がってきてなかったか?」と出来る限りの平静を装って尋ねてみました。部下は「まさか、気持ち悪いこと言わないでくださいよ。」と言って黙ってしまいました。
まだ山道も続くし少し怖いのもあってこの話題を続けることはしませんでした。それ以降の帰り道では何事もなく深夜3時頃に自宅に到着し部下と別れました。
そんな時間なので当然、妻は寝床に就いていたので起こさないように静かに風呂に入り僕も寝床に入りました。さっき見た光景が現実だったのか錯覚だったのかと考えながらもすぐに眠りに落ちたのです。
翌朝、お昼前に起きると妻は洗濯物をしていました。起きてきた僕に
妻:「昨夜、誰かと一緒に帰ってきてなかった?」というのです。
僕:「部下に送ってもらったけど家の前で降ろしてもらって誰とも帰ってきてないで。なんで?」
妻:「帰ってきたとき物音に気付いて目が覚めたんやけど、あなたともう一人が歩いてるような気配がしたから。」
僕:「そんな訳ないで、俺一人やねんから。」
その時に僕の脳裏には昨夜見たガードレールの光景が蘇っていました。もしかして連れて帰ってきてしまったのか・・・
その後、家で頻繁に金縛りに合うようになりました。今まで霊体験などなかったのですが釣りの帰り道の出来事と金縛りになるようになったタイミングが重なっていたので半信半疑で自宅をお祓いしてもらいました。
知人の紹介でお祓いをしていただける方に来てもらったのですが、その方曰く「居間の角に男の人が座っている。どこかの川からあなたに憑いてきたみたい。」と言われゾッとしたのを鮮明に覚えています。
お祓いのあとは金縛りにもあわず何事もなく暮らしています。
まとめ
先日、宇治川ラインの美しい景色を紹介しているサイトを見ていて、これってあの夜に天ケ瀬ダムへ行った時の道じゃないかと記憶が蘇りました。
その当時は釣りの行先には興味が無かったのでダムの名前すらはっきり覚えていなかったのですが、ダムの写真をみて思い出しました。
気になってネットで調べるとやはり心霊現象に関する情報が出ていました。
それ以外は霊体験などないのですが、今でも忘れられない経験です。