男性の更年期障害の原因と症状は?検査は何科を受診?治療薬で治るの?
更年期障害は女性特有の症状だと思われていましたが、近年では男性にも起こる症状であると認知されてきました。
症状は倦怠感や勃起不全など様々で、それによって受診する科も異なってきます。
治療法は主に注射、外用薬、内服薬がありますが保険が適用されない物もあります。
症状が重くなると日常生活にも支障をきたすケースが報告されているようです。
体調不良や異変を感じ、更年期障害が疑わしいと感じたときは早めに病院で治療することが改善への近道です。
男性の更年期障害は何歳から?原因と症状は?
男性の更年期障害の原因は男性ホルモンの低下によって起こり『LOH症候群』とも呼ばれています。
LOH症候群はアンドロゲンという男性ホルモンの分泌が低下することによって起こります。
女性の場合は更年期障害の原因は閉経前後に急激に卵巣が機能停止になることで発症すると言われています。
男性の場合は加齢によって発症するのですが、更年期障害にかかるとい事があまり認知されていない、緩やかに進行するなどの理由で放置されるケースが多いようです。
その他の原因として肥満や運動不足、仕事のストレスなど間接的な要因も考えられます。
年齢的には45歳を過ぎたあたりから注意が必要で50代前半の発症が多いようです。
日常生活においてみられる傾向として・・・
●怒りっぽい
●イライラする
●自分だけ暑い
●汗が異常に出る
●やる気が出ない
●寒気
●吐き気
●不安感
などの自覚症状が挙げられます。
心当たりがある場合は注意が必要です。
症状として現れるのは「精神」、「身体」、「性機能」の3つが挙げられます。
■精神■
●頭痛
●不眠
●耳鳴り
●めまい
●呼吸困難
●不安
●動悸
●ほてり
●倦怠感
■身体■
●肩こり
●関節痛
●筋肉痛
●発汗
●口内乾燥
●しびれ
●腹痛
●便秘
●食欲不振
●頻尿
●残尿感
●放尿の勢い低下
■性機能■
●勃起不全
●性欲低下
●朝立ち減少
以上が主な症状として挙げられます。
症状の現れ方や軽重は人それぞれ違うので日頃から健康管理や変化に注意を払って下さい。
いくつかの症状に心当たりがある場合は放置せず専門医に相談し検査するようにしましょう。
男性の更年期障害って何科を受診すればいい?
女性の更年期障害は婦人科があるのですが、男性が受診する場合は何科に行けばいいのでしょう?
病院によっては「LOH症候群の専門外来」を設けているところもあるのですが、その数はまだ多いとは言えません。
受診する病院に専門外来が無い場合は症状によって何科で検査するかは異なってきます。
倦怠感や不眠、動悸、肩こり、食欲不振などの症状がある場合は内科か診療内科を受診します。
そこで検査、治療を受けても症状が良くならないのであれば神経精神科を受診します。
頻尿、残尿感、勃起不全などの症状がみられるときは泌尿器科を受診します。
それぞれの科で更年期障害と診断された場合は担当医と相談しながら治療を進めていきましょう。
男性の更年期障害は治療薬で治る?
更年期障害の疑いがあると診断されたら血中のテストステロン値を測定し検査します。
テストステロン値の特徴として朝は高い数値、夕方は低い数値になるので受診する際は8時~11時までに採決するのがベストです。
男性の更年期障害の治療法としては男性ホルモンを体内に補充する治療が一般的です。
検査で血液中のテストステロン値を診断してもらい、その数値によって担当医と相談の上で治療法が決められます。
「テストステロン補充療法」
テストステロン補充療法には3つの治療法があります。
●内服薬(経口剤)
メチルテストステロンという内服薬があります。
しかし肝機能障害などの副作用が報告されており現在ではほぼ治療に用いることはないようです。
●外用薬(皮膚吸収剤)
テストステロンクリームという軟膏を塗ることで皮膚からテストステロンを吸収させる治療法です。
テストステロンの血中濃度を安定させて維持できる効果があり、塗り薬なので気軽に行うメリットがあります。
デメリットとしては自費診療になるので病院によって治療費は異なるようです。
ある病院では採血料などを含めて3ヵ月で3万円ほどかかるようなので目安にして下さい。
●注射剤
エナント酸テストステロンを筋肉に注射する治療法です。
2~3週間および2~4週間に1回の頻度で行います。
治療の間隔や量は症状の経過を見ながら調整されます。
(日本泌尿器科学会/日本メンズヘルス学会・LOH症候群診療の手引き(PDF)より)
この治療法のメリットしては保険が適用されるということです。
デメリットは血中濃度の変化が激しく症状の改善や効果が安定しない事とがあります。
いずれにしても医師の診断を受け、検査結果などから最善の治療方法を選択しましょう。
また症状が改善に向かわない時はセカンドオピニオンも必要です。
まとめ
まだまだ男性の更年期障害は認知度が低いという現状です。
しかし、その症状が疑われるときは出来るだけ早く専門外来で検査するようにしましょう。
40代や50代といえばまだまだ現役で頑張らなくてはいけない年代です。
しかし若い時ほど無理も利かない年代なので放置せずにしっかりと向き合う事が大切です。